Briety Shipping Inc v Trafigura Maritime Logistics Pte Ltd [2026] EWHC 1714 (Comm)

LNG船Tenergyの5年間の定期用船契約における用船料算定式の解釈が争われた事案である。用船料はJKMとTTFという2つのLNG価格指標の差額に連動し、最低日額5万米ドル、最高14万5,000米ドルとされていた。船主Brietyは、JKM-TTFがマイナスとなる場合も絶対的な差額として扱い、一定額を超えれば用船料が上昇すると主張したのに対し、用船者Trafiguraは、差額がマイナスの場合には最低用船料のみが適用されると主張した。

裁判所は、契約文言及び契約締結時の背景事情を踏まえ、Trafiguraの解釈を採用した。すなわち、JKMからTTFを控除した結果が正の数となり、その差額が1.3米ドル以上となった場合にのみ用船料増額の仕組みが作動し、TTFがJKMを上回って差額がマイナスとなる場合には増額されないとした。結果として、この算定方式は問題となった期間についてTrafiguraに有利な「one-way bet」となるが、それ自体は契約解釈を変更する理由にはならないとされた。

船主は代替的に、契約書が当事者の共通意思を反映していないとしてcommon mistakeによる契約更正を求めたが、契約締結時まで継続する明確な共通意思及びその外部的表示は認められなかった。また、unilateral mistakeについても、船主が主張する特定の主観的意思を有していたこと、及びTrafiguraがその誤りを認識しながら意図的に指摘しなかったことが立証されず、更正は認められなかった。

したがって、船主の不足用船料請求及び契約更正請求はいずれも棄却された。なお、裁判所は結論上判断不要としつつ、用船契約の12か月のtime barについても言及し、用船料請求の場合の「event giving rise to the claim」は各用船料の支払期日であるため、期間経過後の請求はtime-barredになるとの見解を示した。