ADM Industries Centers Ltd v Inerco Trade SA [2026] EWHC 1873 (Comm)

GAFTA Form 48を組み込んだウクライナ産トウモロコシ60,000MTのCIF売買について、Black Sea Grain Initiative下のJCC検査停止により船舶が黒海へ進入できず、船積みが遅延したことから、Force Majeure条項の適用、通知期限及び船積期間延長の解釈が争われた事案である。売主はClause 20のForce Majeureを主張したが、買主は通知が遅れた   続きを読む…

FinCo International AG v Integra Petrochemicals Europe AG [2026] EWHC 727 (Comm)

石油製品売買契約の条件がex shipからCIFに変更された後も、当初の揚地到着日が確定的な納期として維持されたか、また、買主が売主の船舶指名を有効に拒絶したかが争われた。 裁判所は、CIFへの変更によって当初の納期が積地での船積日へ変更されたわけではないとした一方、BP GTCsの適用により、揚地到着日は確定期限ではなく目安にすぎないと判断した。売主は、通常の航海期間を前提としてその期間内に到着   続きを読む…

Mercuria Energy Trading SA v Onex DMCC [2026] EWHC 130 (Comm) – King’s Bench Division, Commercial Court (Lionel Persey KC, sitting as a Judge of the High Court) – 22 January 2026

燃料油売買契約に記載された有機塩素4.1ppmという数値が保証値であり、5ppmの貨物を引き渡した売主が契約違反となるかが争われた。 裁判所は、契約上、有機塩素値は「typicals」として記載され、別途の保証仕様には含まれていなかったと指摘した。さらに、一般条件はtypicalsについて保証せず、商品の品質・説明の一部にもならないと明記していたため、4.1ppmは保証値ではないと判断した。また、   続きを読む…

Valency International Pte Ltd v JSW International Tradecorp Pte Ltd and Others [2026] SGCA 1

船荷証券を担保として銀行に差し入れた金融業者が、貨物の無断引渡しについてconversionを理由に売主や船社を訴えることができるかが争われた。 Valencyは、船荷証券をHSBCに質入れした後、Trust Receiptに基づいて原本の返還を受けていた。しかし控訴院は、この返還は貨物の受取りや売却を行わせるための限定的なものであり、銀行の担保権は消滅していなかったと判断した。そのため、質権が存   続きを読む…

Moeve Trading SAU v Mael Trading FZ LLC [2026] EWHC 17 (Comm)

買主が信用状を開設したことで売買代金の支払義務を果たしたことになるか、また、船荷証券が買主に引き渡されていないことを理由に代金支払を拒めるかが争われた。 裁判所は、信用状による支払は、契約に明確な反対の定めがない限り、通常は「条件付支払」にすぎず、信用状の開設だけで買主の代金債務が消滅するものではないと判断した。本件では、貨物はFOB条件により船積時に買主へ引き渡され、所有権も買主に移転していた。   続きを読む…

Olam Global Agri Pte Ltd v Holbud Ltd [2025] EWHC 3187 (Comm)

売主がウクライナ港閉鎖を理由に誤って不可抗力を宣言し契約を履行しなかった場合、買主が実際に契約を履行できる状態であったことを立証せずに、多額の損害賠償を請求できるかが争われた。 買主は当初Finderを船積船として指名したが、その後同船を別の航海に投入していた。仲裁廷は、売主が誤って不可抗力を宣言した以上、買主の履行可能性は問題にならないとして、市場差額による損害賠償を認めた。裁判所は、契約違反に   続きを読む…

Allseeds Switzerland SA v Intergrain SA [2025] EWHC 2788 (Comm)

CIF売買において売主が手配した貨物保険について保険者が保険金請求を拒絶した場合、それだけで売主の有効な保険を付保すべき義務への違反が成立するかが争われた。貨物は揚地到着時に損傷しており、売主は航海前に保険証券を取得していなかった。その後発行された保険証券についても、保険者は既発生の損傷が告知されていなかったとして、保険を無効として保険金支払を拒絶した。 仲裁判断は、保険者が補償を拒絶したことなど   続きを読む…

Trans Trade RK SA v State Food and Grain Corporation of Ukraine [2025] EWHC 1803 (Comm)

FOB売買において、契約では、買主は所定日に船荷証券等の船積書類と引換えに代金を支払うものとされ、代金完済まで所有権は売主に留保されていた。買主が代金を支払わなかったため、売主はGAFTA仲裁で代金請求を行った。売主が船荷証券を保持し、所有権が買主に移転していない場合でも、Sale of Goods Act 1979第49条2項に基づき、売主は代金全額を請求できるかが争われた。 仲裁廷はこれを認め   続きを読む…

Port of Sheerness Ltd v Swire Shipping Pte Ltd [2025] EWHC 7 (Admlty)

MV Kiatingの貨物揚荷が積付不良等により長期化したことから、シアネス港が通常の荷役費用に加え、追加係岸料(period toll)を請求できるかが争われた事案である。本船は、本来約3日半で揚荷を終える予定であったが、航海中の荒天による木材の荷崩れや、吊索の不備により作業が遅延した。港は、標準的な期間を超えて本船が岸壁を使用したとして、10日分の追加料金を請求した。 裁判所は、港湾条件5.4   続きを読む…

Sharp Corp Ltd v Viterra BV (previously known as Glencore Agriculture BV) [2024] UKSC 14

買主Sharpが豆類の代金を支払わなかったため、売主Viterraが被った損害を、どの市場価格を基準に計算するかが問題となった。貨物はカナダからインドのムンドラ港に到着し、既に荷揚げ・通関され、倉庫に保管されていた。その後、インド政府が輸入関税を引き上げたため、貨物のインド国内での価格は大きく上昇していた。 仲裁廷は、損害額を、カナダのバンクーバーで同じ貨物を買い、そこからムンドラまで運ぶ費用を基   続きを読む…

Ayhan Sezer Yag ve Gida Endustrisi Ticaret Ltd Sirket v Agroinvest SA [2024] EWHC 479 (Comm)

菜種粕及び非遺伝子組換え大豆粕の売買契約について、買主が契約履行を拒絶した後、事前に支払った前払金が返還されるか、またGAFTA 100のデフォルト条項上の「債務不履行日」がいつかが争われた事案である。仲裁判断は、買主の履行拒絶が売主に受諾された5月7日を債務不履行日とし、前払金は返還不要のデポジットであるとした。 裁判所は、債務不履行日は履行拒絶が受諾された日ではなく、実際に拒絶がなされた日であ   続きを読む…

Crédit Agricole Corporate and Investment Bank, Singapore Branch v PPT Energy Trading Co Ltd [2023] SGCA(I) 7- Singapore International Court of Appeal (Judith Prakash JCA, Jonathan Mance IJ and Bernard Rix IJ) – 24 October 2023

Zenrockによる原油取引の二重金融・価格偽装に関連し、信用状発行銀行CACIBが、受益者PPTへの信用状代金の支払を拒めるか、またPPTが提出した補償状(LOI)に基づきCACIBが損害賠償を請求できるかが争われた事案である。Zenrockは、実際より高額に改ざんした転売契約をCACIBに提示して信用状を取得していたが、PPT自身がその詐欺に加担したとは認められなかった。 国際商事控訴裁判所は   続きを読む…

Hyphen Trading Ltd v BLPL Singapore Pte Ltd – [2023] SGHC 302, High Court of the Republic of Singapore (Justice S Mohan) – 25 October 2023

約1,048万米ドル相当のニッケルブリケット貨物について、HTLとTIPLがそれぞれ正当な船荷証券所持人であると主張して所有権を争う中、倉庫保管中の貨物を紛争解決前に売却すべきかが争われた事案である。HTLは、貨物価値の下落、保管中の安全上の懸念及び倉庫費用の増加を理由に、売却代金を裁判所又はエスクロー口座に保管するよう求めた。 裁判所は、シンガポール民事訴訟規則上、動産が腐敗しやすい場合、価値が   続きを読む…