Sharp Corp Ltd v Viterra BV (previously known as Glencore Agriculture BV) [2024] UKSC 14

買主Sharpが豆類の代金を支払わなかったため、売主Viterraが被った損害を、どの市場価格を基準に計算するかが問題となった。貨物はカナダからインドのムンドラ港に到着し、既に荷揚げ・通関され、倉庫に保管されていた。その後、インド政府が輸入関税を引き上げたため、貨物のインド国内での価格は大きく上昇していた。 仲裁廷は、損害額を、カナダのバンクーバーで同じ貨物を買い、そこからムンドラまで運ぶ費用を基   続きを読む…

Delos Shipholding SA and Others v Allianz Global Corporate and Specialty SE and Others [2024] EWHC 719 (Comm)

インドネシア領海内に無許可で錨泊した船舶Win Winが同国海軍に約11か月間拘束されたため、船主らが戦争・政治リスク保険に基づき、推定全損として保険金を請求した事案である。保険者は、拘束は船長らの自発的行為によるもので偶然性がないこと、約款上の免責事由に該当すること、船主らの対応が拘束を長期化させたこと、及び重要事項の不告知を主張した。 裁判所は、船長らは錨泊地点がインドネシア領海内であることを   続きを読む…

Yacht Management Co Ltd v Gordon and Another [2024] EAT 33

英国に拠点を持たないヨット管理会社YMCに雇用され、世界各地を航行するスーパーヨットで勤務していた船員Gordonが、英国の雇用権法及び平等法の保護を受けられるかが争われた事案である。Gordonはアバディーンに居住し、同地から乗船地へ移動して勤務を開始し、休暇時には同地へ戻っていた。給与は英国の銀行口座に支払われ、契約は英国法準拠、英国裁判所の専属管轄とされていた。 雇用審判所は、Gordonを   続きを読む…

Burrows v Thurlow (The Merlion) [2024] FCA 220

新造ヨットの購入契約に際し、従前所有していたMerlionを下取りとして引き渡した買主Burrowsが、造船会社PMYの倒産後、同船が第三者Thurlowへ移転されたことから、自己がなお所有権又は直ちに占有を回復する権利を有するとして、船舶に対する対物訴訟を提起した事案である。争点は、信託違反、悪意の受領、所有権移転の仮装、横領及び消費者法上の請求が、豪州の海事裁判管轄に含まれるかであった。 裁判   続きを読む…

Dan-Bunkering (Singapore) Pte Ltd v The Ship Yangtze Fortune (No 3) [2024] FCA 219

裸用船中のYangtze Fortuneに燃料を供給したCMETが、司法売却代金への対物請求に参加しようとした事案である。豪州海事法上、裸用船者の債務について船舶に対する対物訴訟を提起するには、請求原因発生時だけでなく、訴訟提起時にも当該者が裸用船者であることが必要とされた。 CMETは、司法売却の条件が成立した2023年3月7日に裸用船契約が履行不能となり終了したため、その時点を基準として売却代   続きを読む…