Dan-Bunkering (Singapore) Pte Ltd v The Ship “Yangtze Fortune” [2024] FCA 1149

船舶Yangtze Fortuneの司法売却代金について、燃料供給者、貨物関係者及び船主がそれぞれ債権を届け出たところ、船主自身が裸用船者に対する未払傭船料債権に基づき、自船の売却代金へ請求できるか、また各債権の優先順位が争われた事案である。

裁判所は、船主と裸用船者との契約が実質的に売買・融資取引の性格を有していたとしても、船舶の占有・運航支配を裸用船者へ移転する通常の裸用船契約であり、未払傭船料請求は「船舶の使用又は賃貸に関する契約」から生じる海事債権に該当すると判断した。裸用船者は実質的に船主と同様の立場で船舶を支配するため、登録船主が裸用船者の人的債務に基づいて自船又はその売却代金に対物請求することも妨げられないとされた。

裸用船者は契約終了を通知し、支払不能を理由に履行拒絶したが、船主はこれを受諾せず履行を求め続けていた。また、船舶の運航や乗組員への指示も裸用船者が継続していたため、船主が請求を提起した時点でも裸用船契約は存続していたと認定された。さらに、船舶が既に裁判所の管理下にあったため、船主が令状を船舶へ送達していなくても、発付により売却代金に対する対物請求権は有効に成立した。

優先順位については、燃料供給債権、貨物関係債権及び船主の未払傭船料債権はいずれも同順位とされた。燃料が船舶の「必需品」であること、燃料供給者が先に判決を得たこと、又は船主が別の担保を有することは、通常の順位を変更する十分な理由とはならなかった。したがって、3債権者は残余の売却代金を按分して受領すべきものとされた。

関連事件:Dan-Bunkering (Singapore) Pte Ltd v The Ship Yangtze Fortune (No 3) [2024] FCA 219 - 2024年のNo 3判決は、CMETの遅れた参加申立てを却下した中間判断で、本件判決は残存売却代金について各債権者の権利と優先順位を最終的に判断した判決である。No 3では、CMETが請求を開始した時点では裸用船契約が既に終了していたため、裸用船者の債務に基づく対物請求の要件を満たさないとされた。他方、本件判決では、船主SHSL自身の請求は、同社が訴訟を提起した時点では裸用船契約がなお存続していたとして認められた。したがって、結論の違いは、主として各請求の提起時期と、その時点で裸用船契約が存続していたかの違いによるもの。