LMLN London Arbitration 8/26

ロシア当局が硝酸アンモニウムを積載した本船のケルチ海峡通航を認めなかったため、傭船者がその長期滞船について責任を負うかが争われた。

仲裁廷は、契約締結時および積荷時には通航を禁止する法令は存在せず、当局の措置は予見困難で異常なものであったとして、危険貨物の積載、安全港保証違反および書類不備に関する船主の主張を退けた。もっとも、Voywar 1993条項は、物理的危険だけでなく、戦争に関連する拘留や没収等の法的危険も対象とし、船主は、当局の措置によって本船・船員・貨物が戦争危険にさらされていると合理的に判断し、傭船者に代替港の指定を求めることができる。船主は2月15日に明確に代替指図を求めたが、傭船者が有効な指図を出したのは3月15日であった。その間の遅延は傭船者の指図義務違反による不当な滞船となる。また、戦争危険条項が当該事態を明示的に処理していたため、契約がフラストレーションにより終了したとの傭船者の主張も退けられた。その結果、船主には28日間について契約上の滞船料率を基準とする拘留損害が認められた。