Argoglobal Underwriting Asia Pacific Pte Ltd v OCBC [2026] SGCA 14

曳航中に転覆したTeras Lyzaについて、損失が海上固有の危険によるものか、また、推定全損が成立するかが争われた。

控訴院は、海水流入が突然かつ予期せず発生しただけでは、海上固有の危険は立証されないと判断した。被保険者は、海水流入を生じさせた偶発的な事故を蓋然性の均衡により立証する必要がある。原因不明のまま船舶が失踪した場合などには海上固有の危険を推定できるが、この推定は、船舶が堪航性を備え、かつ損失原因が完全に不明である場合に限られる。本件では転覆原因を調査できる状況にありながら十分な調査が行われておらず、この推定を利用することはできない。また、推定全損についても、回収・修繕費用が保険価額を超えることを示す証拠の多くが伝聞証拠であり、十分な立証がなされていない。なお、保証違反、告知義務違反および不堪航性に関する保険者の主張は認められなかったが、被保険者が保険事故および推定全損を立証できなかったため、保険者は保険金支払義務を負わないとされた。