Great Asia Maritime Ltd v Orion Shipping and Trading LLC(The Lila Lisbon)[2026] UKSC

Saleform 2012第14条に基づき、売主がCancelling Dateまでに本船を引き渡せず、買主が契約を解除した場合、売主の違反がrepudiatory breachに達していなくても、買主が市場価格上昇によるloss of bargain damagesを請求できるかが争われた。

最高裁は、第14条が、売主の「proven negligence」による不引渡しについて、買主に解除権だけでなく、「loss and all expenses」に対する補償請求権を明示的に与えていると判断した。「loss」は限定されておらず、契約解除により失われた売買上の利益も含むとされた。通常、単なる契約上の解除権を行使しただけでは、repudiatory breachがない限りloss of bargain damagesは発生しないことがある。しかし本件では、解除条項とは別に明示的な補償条項が置かれているため、その一般原則によって補償範囲を制限することはできない。また、Saleformの売主不履行条項と買主不履行条項の対称性、船舶不引渡しにおける通常の損害算定、過去の判例および海運実務上の確立した理解も、loss of bargain damagesを認める解釈を支持する。その結果、買主は、売主の違反がrepudiatory breachでなくても、契約価格と解除時の市場価格との差額を請求できる。売主の上訴は棄却する。