LMLN London Arbitration 1/26

本船が引渡時から著しい船体汚損を有していたものの、契約上必要とされた20%以上の良好気象期間が存在しない場合でも、傭船者が性能低下による損害を請求できるかが争われた。

仲裁廷は、引渡前の長期停泊状況、過去の水中検査および中国での入渠時の調査結果から、本船は引渡時に船体の約90%が汚損しており、NYPE第15条の「船体の欠陥」に該当すると判断した。船主は、The Divinegate判決を援用し、性能不足は原則として契約所定の良好気象条件下でのみ評価すべきであり、本件では良好気象期間が不足しているため請求は成立しないと主張した。しかし仲裁廷は、良好気象方式は唯一の立証方法ではなく、明白な船体汚損があり、その影響を信頼できる海事工学上の方法で立証できる場合には、別の方法による損害算定も可能であると判断した。本件では、傭船者側の専門家が、気象、機関性能その他の要因を除外した上で、船体汚損により航海全体を通じて少なくとも1ノットの速力低下が生じたと合理的に立証した。その結果、良好気象期間が契約上の基準を満たしていなくても、第15条に基づくoff-hire控除が認められ、傭船者の請求が全額認容された。