船荷証券なしで貨物を引き渡した際にShipping社が発行したLOIについて、背後の木材輸出会社らを非開示本人として拘束できるかが争われた。
控訴院は、契約名義人が本人として契約しているように見える場合、別の者を非開示本人とするには、代理人と本人の双方が当該契約について代理関係を意図し、かつ代理人が実際の権限内で行動していたことが必要であるとした。本件では、Shipping社は傭船リスクをForestおよび輸出会社らから切り離すために設立されており、その目的からして、傭船契約を輸出会社らの代理人として締結したとはいえない。輸出会社らが運賃等を負担していたことも、Shipping社が独立した契約当事者であることと両立するとされた。また、LOIについても、Shipping社が自己の名で傭船契約を締結した以上、原則として自己の名で発行したものとみるべきであり、輸出会社らの代理人として発行したことを示す証拠はない。ForestがLOI発行に同意していたとしても、所定の承認手続が履践されておらず、輸出会社らから実際の権限が与えられていたとは認められない。その結果、輸出会社らをLOI上の非開示本人として拘束する十分な根拠はなく、英国裁判所の管轄を否定した第一審判断が維持された。