Tonzip Maritime Ltd v 2Rivers Pte Ltd(The Catalan Sea)[2025] EWHC 2036 (Comm)

制裁対象者MGが荷送人Neftisaを実質的に支配している可能性を理由に、船主が貨物の積載を拒否できるかが争われた。 裁判所は、制裁条項に基づく積載拒否には、実際の制裁違反が確定している必要はないものの、船主が、当時入手可能な資料に基づき、制裁にさらされる現実的なリスクがあると誠実かつ客観的に合理的に判断している必要があるとした。本件では、MGとNeftisaとの関係を示す資料はあったものの、MG   続きを読む…

UBS AG v Owner of the Vessel “Chloe V”; Koch Shipping Pte Ltd (intervening) [2025] SGHC 142 – High Court of Singapore (Justice S Mohan) – 28 July 2025

融資銀行が新たな定期傭船契約を承認しつつ、傭船者に対するLetter of Quiet Enjoyment(LQE)の発行を拒否したことが、抵当権者としての裁量権濫用に当たるかが争われた。船主は、融資契約の条項により銀行には傭船契約を承認する裁量があり、その裁量には合理的かつ誠実に行使すべきBraganza義務が伴うため、LQEの拒否は不当であると主張した。 裁判所は、当該条項は、一定の傭船契約を   続きを読む…

LMLN London Arbitration 10/25 

最終用船料精算において、①送金時に控除された銀行手数料を誰が負担するか、②船長が安全上の理由から海南海峡を通航しなかったことを理由に、傭船者が用船料を控除できるかが争われた。 仲裁廷は、用船料は全額が船主口座に着金する必要があり、送金途中で控除された銀行手数料は傭船者が負担すべきと判断した。また、海南海峡ではレーダーや投錨の使用制限、多数の漁船、漂流漁網による衝突・推進器損傷の危険があり、中国当局   続きを読む…

LMLN London Arbitration 9/25 

未払売主から貨物引渡しを止めるよう通知を受けた後、船主が事実関係と法的リスクを確認するため本船を揚地沖で一時停止させた期間について、傭船者がoff-hire控除できるかが争われた。 仲裁廷は、船主は傭船者の航海指図に直ちに従う義務を常に負うものではなく、指図の適法性や貨物に関する誤渡しリスクを確認するため、合理的な期間調査を行うことができると判断した。週末を含む約2.4日間の停止は長すぎず、用船料   続きを読む…

Sino East Transportation Ltd v Grand Amazon Shipping Ltd [2025] EWHC 1990 (Comm)

内在的欠陥のある大豆貨物について中国裁判所が船主に誤って損害賠償責任を認めた場合、船主が定期傭船者に黙示の補償を請求できるかが争われた。船主は、中国での貨物損害訴訟により一定額の賠償金と費用を支払い、その全額について、傭船者の積荷・航海指図から生じた損失であるとして補償を求めた。 裁判所は、傭船者の指図に従った結果、第三者に対する予想外の責任を負った場合、船主がその損失を負担することを契約上引き受   続きを読む…

Batavia Eximp & Contracting (S) Pte Ltd v Pedregal Maritime SA(The Taikoo Brilliance)[2025] EWHC 1878 (Comm)

貨物誤渡し請求について、船舶差押えによる担保取得がHague-Visby Rules上の「訴えの提起」に当たるか、また甲板積み貨物にも1年の出訴期限が適用されるかが争われた。 貨物受取人は、ロンドン仲裁を開始する前にシンガポールで姉妹船を差し押さえ、担保を取得していた。しかし裁判所は、この手続は請求の実体を判断するものではなく、担保確保のみを目的としていたため、「suit」とはいえないと判断した。   続きを読む…