2019年6月14日、バングラデシュ・チャットグラム港への航路上にある狭水道の屈曲部で、入航中のコンテナ船X-Press Mahanada(XPM)と出航中のプロダクトタンカーBurganがほぼ正面衝突した事故について、各船の過失割合が争われた事案である。Burganは水路中央線より左側の反対側水域を航行しており、直前にはバングラデシュ陸軍の水陸両用艦Shakti Sanchar(SS)が両船間を横切っていた。
裁判所は、狭水道では安全かつ実行可能な限り右舷側を航行すべきとする衝突予防規則9条への違反は重大であり、Burganが左舷側を航行したことに加え、SSの動静を適切に監視せず、VHF通信に依存し、早期に減速しなかったことが衝突の主因であると判断した。Burganには65%の過失が認定された。
SSについても、水路中央付近を航行して右舷側を保持せず、VHF通信及び汽笛信号を行わず、見張りも不十分であったとして35%の過失が認定された。SSは訴訟当事者ではなかったが、1995年商船法187条に基づき、事故に関与した全船舶の過失を比較して責任割合を定めるべきとされた。
他方、XPMの見張りには不完全な点があり、Burgan及びSSをより早く発見すべきであったものの、それが衝突原因となったとは認められなかった。また、XPMの速力は航海計画上の約8ノットを上回っていたが、強い潮流下で屈曲部を安全に操船するために必要な範囲であり、概ね安全な速力であった。衝突直前に減速しなかった点も事故との因果関係を欠くとして、XPMの過失は否定された。