Marina Developments Ltd v Owners of SY Explorer [2024] EWHC 3531 (Admlty)

2023年Ocean Globe Raceに参加した14隻の帆船について、マリーナ運営会社MDLが相当額の係留料を請求し、そのうち1隻であるSY Explorerを全額の担保として差し押さえた事案である。被告は、係留はスポンサー契約の一環として無償であった、又は契約当事者は自身ではなく豪州法人Ocean Frontiers Pty Ltdであったと主張した。

裁判所は、被告自身が「無料係留の提供はなくなった」とメールで述べ、14隻分の見積りを求めていたことから、係留が無償であったとの主張を退けた。また、被告の署名に付された「OGR Founder」等の肩書は契約目的を示す記述にすぎず、客観的に見れば被告が個人として契約したと判断し、14隻分の係留料について被告の人的責任を認めた。

しかし、SY Explorerに対する対物訴訟及び差押えの範囲については、他の13隻分の係留料まで含めることはできない。1981年上級裁判所法20条及び21条による対物訴訟は、請求が特定の船舶に関連して生じた場合に限られ、係留料債権自体は海事先取特権を生じさせない。SY Explorerに関連する係留料は同船自身が負担した分のみであり、被告が他船分についても個人的責任を負うとしても、それらがSY Explorerの係留料となるわけではない。

したがって、MDLが全額を船舶差押えにより回収するには、係留料を発生させた14隻それぞれに対し、個別の対物訴訟を提起する必要がある。裁判所は、この結果に実質的合理性は乏しいとしつつも、法令の文言上避けられない結論であると判示した。