Minerva Navigation Inc v Oceana Shipping AG (The “Athena”) [2013] EWCA Civ 1723

定期用船中の本船Athenaが、用船者からベンガジ沖へ向かうよう指示されたにもかかわらず、船主の指示により約10.94日間、公海上で漂流した期間について、NYPE書式15条に基づきオフハイヤーとなるかが争われた事案である。仲裁廷は、用船者の指示は有効であり、船長の不履行は契約違反であるとした一方、本船が直ちにベンガジへ向かっても、実際より早く着岸・揚荷できなかったため、用船者には最終的な遅延損害がないと認定した。

第一審は、オフハイヤーとなるには、直ちに要求された業務についての時間損失だけでなく、用船契約上の業務全体に「正味の時間損失」が生じる必要があるとして、オフハイヤーを否定した。しかし控訴院は、この解釈を退けた。

控訴院によれば、同条の「船舶の完全な稼働を妨げる原因」とは、その時点で本船に直ちに要求されていた業務を遂行できないことをいう。本件で直ちに要求されていた業務は、ベンガジ沖へ航行することであり、船長の不履行により漂流していた期間には現実の時間損失が発生していた。その後、着岸や揚荷の段階で同程度の待機時間が生じた可能性は、当該期間のオフハイヤー判断には関係しない。

NYPE15条は正味時間損失条項ではあるが、比較対象は用船契約全体や航海全体ではなく、船舶の非効率状態が継続した期間に限られる。この解釈は、後日の事情を待たずに傭船料の支払義務を判断でき、実務上の明確性にも資するとされた。したがって、漂流期間中、本船はオフハイヤーであり、用船者の控訴が認められた。