JB Cocoa Sdn Bhd and Others v Maersk Line AS [2023] EWHC 2203 (Comm)

ナイジェリアからマレーシアへ運送されたカカオ豆が、揚荷後コンテナ内に長期間留置された結果、結露及びカビによる損傷を受けたとして、貨物関係者がMaerskに損害賠償を求めた事案である。裁判所は、貨物は船積時には良好な状態であり、損傷は揚荷後からデバンニングまでの長期コンテナ保管によって生じたと認定した。

JB Cocoaについては、損傷発生時に貨物の所有権又は占有権原を有していたことを立証できず、不法行為上の請求適格を欠くとされた。船荷証券はJB Foodsに裏書されており、Carriage of Goods by Sea Act 1992第2条により契約上の請求権を有するのは適法な船荷証券所持人であるJB Foodsであった。また、仮にJB Cocoaが貨物所有者であったとしても、Maerskに契約外で積極的に損害防止措置を講じる一般的注意義務があるとは認められなかった。

JB Foodsについては、船荷証券5条の解釈上、Maerskの責任は貨物を揚荷して引取り可能な状態にした時点で終了するとされた。したがって、損傷が揚荷後に生じた以上、Maerskは契約上責任を負わなかった。もっとも、仮に揚荷後もMaerskが貨物を管理していたなら、コンテナ扉を開けて換気するなど合理的な注意を尽くさなかったとして責任を負い得たとされた。

損害軽減義務については、手作業で健全豆を選別・乾燥し、カビ検査を行うことまで求められないとされたが、結論としてMaerskの責任期間外の損傷であったため請求は棄却された。短渡しの請求も事実上認められず、船荷証券11.3条による抗弁も適用可能とされた。