Owner of the Vessel “Navigator Aries” v Owner of the Vessel “Leo Perdana” [2023] SGCA 20

インドネシア・スラバヤ海峡の狭水道を反航していた液化ガスタンカーNavigator Ariesとコンテナ船Leo Perdanaが衝突した事故について、COLREGs違反と過失割合が争われた事案である。両船は左舷対左舷で行き会うことを合意していたが、Leo Perdanaが右舷側岸壁との流体力学的相互作用により左舷へ大きく偏向し、Navigator Ariesの進路に入り込んで衝突した。

控訴院は、Leo Perdanaについて、bow cushion effectを早期に察知せず、誤って「midships」の舵令を出した点でCOLREGs8条違反を認めた。また、過大な速力で航行し、偏向開始後も十分に減速しなかったことから、6条及び8条(e)にも違反したとした。他方、9条(a)については、狭水道では単に中央線より右側を航行すれば足りるのではなく、可能かつ安全な限り右舷側の外縁に近づく義務があると解釈したものの、Leo Perdanaがさらに浅瀬側へ寄ることまでは要求されないとした。

Navigator Ariesについては、右舷側外縁に十分寄らず狭水道中央寄りを航行したことが9条(a)違反であり、危険な状況を作り出した点は重大であった。また、見張り及び衝突危険監視にも問題があった。他方、原審はこの点を重く評価しすぎ、Leo Perdana側の速力、舵令及び回避措置の過失を十分に評価していなかったとされた。

過失割合は、単なる違反数ではなく、各違反の性質、重大性及び危険発生への寄与を比較して判断すべきである。双方とも重大なCOLREGs違反を犯しており、Leo Perdanaの行為も事故に実質的に寄与したとして、原審の70対30を変更し、両船の責任を50対50とした。