アイルランドから豪州へ運送されたポンツーン貨物の損傷について、運送契約がいつ、どの文書によって成立したか、また適用される責任制限制度がヘーグ・ルール、ヘーグ・ヴィスビー・ルール又は豪州改正ヘーグ・ルールのいずれであるかが争われた事案である。第一審は、後日発行されたbooking noteが契約書であり、そこに定める1梱包100ポンドの責任制限が適用されるとした。
連邦裁判所合議体はこれを一部覆し、契約は11月7日の第2 recap emailによって既に成立していたと判断した。その後のbooking noteは既合意内容を再記載したものにすぎず、recapを置き換えるものではなかった。また、後日発行されたsea waybillも便宜上発行された受取証にすぎず、既存の契約内容を変更しなかった。
recapでは英国法準拠及びロンドン仲裁が合意され、標準船荷証券条項も矛盾しない範囲で組み込まれていた。さらに、契約上、請求があれば船荷証券を発行することが予定されていたため、実際に船荷証券が発行されなくても、運送契約はヘーグ・ヴィスビー・ルール上「船荷証券によりカバーされる契約」に該当するとされた。
その結果、一般至上約款の「船積国で制定されたHague Rules」は、英国法上、アイルランドで法制化されたヘーグ・ヴィスビー・ルールを指すと解釈され、豪州改正ヘーグ・ルールは適用されなかった。したがって、運送人の責任限度額は、1梱包当たり666.67 SDR又は貨物総重量1kg当たり2 SDRのいずれか高い額とされた。また、船主RDもHimalaya Clauseにより同じ責任制限を援用できると判断された。