Maersk A/S v Allianz Seguros y Reaseguros SA (Joined Cases C-345/22 and C-347/22); Mapfre España Compañía de Seguros y Reaseguros SA v MACS Maritime Carrier Shipping GmbH & Co (Case C-346/22)

貨物損害について荷主の権利を代位取得した保険者がスペイン裁判所で運送人を訴えたところ、船荷証券に英国裁判所を専属管轄とする条項が含まれていたため、当該条項が船荷証券の第三取得者にも対抗できるかが争われた事案である。スペイン法は、第三取得者が船荷証券上の権利義務を承継しても、裁判管轄条項については個別かつ別途の合意がない限り拘束されないと定めていた。

EU司法裁判所は、ブリュッセルI bis規則25条1項に基づき、第三取得者に対する管轄条項の効力は、指定裁判所の国の法律ではなく、船荷証券に適用される法律により判断されるとした。第三取得者が、当該準拠法上、船荷証券に基づく荷送人の権利義務を承継する場合には、管轄条項も含めて承継する。ただし、保険代位そのものの成否は、船荷証券の準拠法とは別の問題である。

さらに、船荷証券上の権利義務を第三取得者へ包括的に承継させながら、管轄条項だけを除外し、個別交渉を追加要件とする国内法は、EU法の優越原則及び同規則25条に反すると判断された。したがって、第三取得者が船荷証券上の地位を承継している以上、適式に組み込まれた英国専属管轄条項にも拘束され、スペイン裁判所は管轄を有しないとされた。