Mamancochet Mining Ltd v Aegis Managing Agency Ltd [2018] EWHC 2643 (Comm)

海上貨物保険の保険者が、制裁条項を理由として、イラン向け貨物の盗難損害に対する保険金支払を拒否できるかが争われた。

制裁条項は、保険金の支払が保険者を制裁、禁止又は制限に「さらす」範囲で、保険者は支払義務を負わないと定めていた。裁判所は、保険者が支払を拒否するには、保険金支払が実際に適用法令上禁止されていることを、蓋然性の均衡により立証しなければならないと判断した。制裁当局が誤って違反と判断する可能性や、単なる制裁リスクがあるだけでは足りない。また、制裁条項が適用されても、保険金支払義務そのものが消滅するのではなく、制裁が継続する間、支払義務が一時的に停止されるにすぎないとされた。本件では、判決時点で米国の猶予措置により支払が可能であり、EU制裁上も支払禁止が解除されていたため、保険者は制裁条項を援用できず、保険金を支払うべきものとされた。