船主側保証人の倒産事由により裸傭船契約が途中解約された後、傭船者が本船をどこまで回航して船主に返還すべきかが争われた。船主は、契約条項上、本船の現在地又は次港だけでなく、船主にとって「便利な港又は場所」で再占有できるとして、米国西岸からクロアチアまで回航するよう求めた。傭船者は、船主は解約時の寄港地で速やかに本船を引き取るべきであると主張した。
控訴院は、契約終了後は本船が傭船者の営業上の支配を離れ、傭船料支払義務や運航維持義務も終了するため、傭船者の義務は無償受寄者として本船を一時的に保全することに限られると判断した。その反面、船主にはできる限り速やかに本船を再占有する義務があるとされた。条項中の「現在地又は次港」は単なる選択肢の一つではなく、原則的な再占有場所を示すものであり、「船主に便利な港又は場所」は、現在地又は次港での引取りが不可能又は実務上困難な場合の補充的規定にすぎないと解釈された。その結果、本船が解約時にStocktonにあり、そこで船主側代表者が乗船して引き取ることが可能であった以上、船主は同港で再占有すべきであり、傭船者に長距離回航を求めることはできないとされた。船主の控訴は棄却された。