制裁対象者MGが荷送人Neftisaを実質的に支配している可能性を理由に、船主が貨物の積載を拒否できるかが争われた。
裁判所は、制裁条項に基づく積載拒否には、実際の制裁違反が確定している必要はないものの、船主が、当時入手可能な資料に基づき、制裁にさらされる現実的なリスクがあると誠実かつ客観的に合理的に判断している必要があるとした。本件では、MGとNeftisaとの関係を示す資料はあったものの、MGが2021年11月時点で同社を支配していたことを示す実質的な証拠はなく、船主の判断は客観的に合理的ではなかった。そのため、船主による積載拒否は正当化されず、船主の損害賠償請求は棄却され、傭船者の反対請求が認められた。なお、船主の請求に適用される90日間のtime barについては、貨物が実際に積載・揚荷されていない本件への適用や起算点が不明確であり、船主の請求を妨げない。