Doric Valourでルイジアナからエジプトへ運送された大豆貨物の一部が、隣接する燃料油タンクの過熱により損傷したとして、売主及び貨物保険者が運送人に損害賠償を求めた事案である。揚荷時の船荷証券の適法な所持人は買主Oilexであったが、その後、Oilexは運送契約上の請求権を売主に譲渡した。
裁判所は、貨物保険者である第2原告には独自の請求権がないとした一方、売主である第1原告には、Oilexからの譲渡に基づく請求適格があると認めた。Oilexが売買契約上、売主からクレジットを受けて損失を填補されていたとしても、船荷証券所持人として運送人に対して有する請求権が消滅するわけではなく、その権利は有効に譲渡できるとされた。
損害原因については、燃料油タンクの過熱によって物理的に損傷した大豆は70~80トン程度にとどまると認定された。しかし、熱損傷貨物が健全貨物と混在したため、最終的に3,631.79トンが拒絶・救済売却の対象となったことについて、運送人の違反との因果関係は認められた。
運送人は、荷主が船内での手作業による選別を拒み、揚荷後も十分な分別をせず、適切な入札を経ずに救済売却したとして損害軽減義務違反を主張したが、裁判所はこれを認めなかった。結果として、損傷貨物の価値減少について損害賠償が認められた。
(控訴審あり)