2隻のROROフェリーについて、船主とグループ会社間で締結された連続する裸用船契約のうち、船主とのヘッド・チャーターが支配権変更を理由に終了した場合、サブ・チャーター及びサブ・サブ・チャーターも当然に終了するか、また各用船者が没収救済を受けられるかが争われた事案である。
裁判所は、ヘッド・チャーターの終了が常に下位の用船契約を当然終了させるとの一般原則は採用せず、契約全体の構造と当事者の合意内容によって判断すべきとした。本件では、各契約はグループ内のバック・トゥ・バック取引として設計され、複数当事者間契約は、船主が契約上の権利を確保し、必要時に本船を回収できることを目的としていた。したがって、ヘッド・チャーターが終了すれば、下位契約の占有権の基礎も失われ、用船契約の連鎖全体が終了すると判断された。
裁判所は、仮に下位契約が自動終了しないとしても、船主は各用船者に返船を指示できたとした。ただし、従前の通知の一部は明確な返船指示とはいえなかった。また、船主が支配権変更を知ってから通知するまで一定期間傭船料を受領していたとしても、解除権の放棄は認められなかった。
没収救済については、その適用可能性を前提としても認められなかった。本件は法律家の助言を受けた商業当事者間の個別交渉契約であり、支配権維持は船主の正当な利益であったため、商取引の確実性を優先すべきとされた。なお、保証会社の義務は通常どおり金銭的保証に限られ、保証人に本船返船の具体的履行を命じることはできないとされた。