SFL Ace 2 Co Inc v DCW Management Ltd (formerly Allseas Global Management Ltd) [2024] EWHC 1877 (Comm)

コンテナ船Green Aceの定期用船契約について、用船者Allseasが契約履行を拒絶したため、船主が親会社AGMLに対し、電子メールで合意された保証に基づき損害賠償を請求した事案である。契約書及び保証書は正式には署名されていなかったが、仲介業者を通じた交渉では、船主が親会社保証を要求し、最終リキャップにより全条件が解除され「clean fixed」と確認されていた。 裁判所は、メールの客観的解   続きを読む…

London Steam-Ship Owners’ Mutual Insurance Association Ltd v Trico Maritime (Pvt) Ltd and Others [2024] EWHC 884 (Comm)

コンテナ船X-Press Pearlの沈没事故について、貨物関係者らがスリランカで船主及びP&Iクラブに対する直接請求を提起したため、クラブが英国裁判所に対し、スリランカ訴訟の差止め及び「pay to be paid」条項の効力確認を求めた事案である。クラブ規則は英国法を準拠法とし、紛争をロンドン仲裁に付すとともに、被保険者が先に第三者へ支払うことを保険金請求の前提としていた。 裁判所は、   続きを読む…

King Crude Carriers SA and Others v Ridgebury November LLC and Others [2024] EWCA Civ 719

Norwegian Saleform 2012に基づく3隻の船舶売買契約において、買主がエスクロー口座開設に必要な書類の提出又は契約書への署名を怠り、売買代金の10%に当たるデポジットを支払わなかったため、売主が損害賠償ではなく債務として請求できるかが争われた事案である。デポジット支払義務は、エスクロー口座の開設を前提としていたが、その前提条件が満たされなかった原因は買主自身の契約違反にあった。   続きを読む…

China Star Chemical Shipping Ltd v Lingyang Shipping Navigation Ltd (The Lingyang) [2024] MLJU 359

航海用船契約上の紛争について、用船者China Star Chemical Shippingがシンガポール仲裁の担保を得るため、船舶Lingyangをマレーシアで差押えたところ、訴訟の被告とされたLingyang Shipping Navigationは契約当事者ではないとして、差押えの取消し及び不当差押えによる損害賠償を求めた事案である。 用船契約はChina Starと本船の登録船主Oppor   続きを読む…

Zurich Insurance Co Ltd and Others v Halcyon Yacht Charter LLP and Others (The Big Kahuna) [2024] EWHC 937 (Admlty)

ギリシャ・コルフ島のマリーナで発生したBig Kahunaの火災が他船へ延焼し、複数の船舶が沈没した事故について、同船の所有者及び保険者が英国で責任制限手続を開始したところ、被害船Halcyonの所有者が、ギリシャの方が適切な法廷地であるとして英国手続の停止を求めた事案である。英国の責任限度額は約53万ポンドであるのに対し、ギリシャでは約160万ポンドとされていた。 裁判所は、事故原因や損害賠償責   続きを読む…

Da Hui Shipping (Pte) Ltd v An Rong Shipping Pte Ltd [2024] SGHC 166

Da Hui Shipping(DH)とAn Rong Shipping(AR)が共同借入人として銀行から借り入れ、各社所有船3隻に抵当権を設定した後、債務不履行により全船が売却され、DHが自己の負担割合を超えて返済したとして、清算中のARに対する分担請求及び銀行の抵当権への代位を求めた事案である。 裁判所は、共同債務者の一方が自己の公平な負担割合を超えて債務を弁済した場合、他の共同債務者に超過分   続きを読む…

The MV Hua Sheng Hai and The MV Kirrixki; Rochelaise de Peche SA v Owners and All Persons Claiming an Interest in the MV Hua Sheng Hai [2024] IEHC 182

アイルランド南西沖の公海上で、大型ばら積船Hua Sheng Haiとフランス籍漁船Kirrixkiが衝突した事故について、双方の過失割合が争われた事案である。両船は互いに、見張り、レーダー利用、灯火、針路・速力の保持及び避航措置に関する国際海上衝突予防規則違反を主張した。準拠法はアイルランド法とされ、同規則上の慎重な船員としての基準に照らして責任が判断された。 裁判所は、Kirrixkiに重大な   続きを読む…