Jonathan John Shipping Ltd v Continental Shipping Line Pte [2025] SGHC 34

定期用船契約の不当解除を理由として損害賠償を求めるロンドン仲裁に関連し、船主がシンガポールの用船者に対して全世界的資産凍結命令を申し立てた事案である。用船者は、予定された入渠工事が長期化したことを理由に契約を解除したが、船主は解除に正当な根拠がないと主張した。

裁判所は、LMAA仲裁廷には暫定的な差止命令を発する権限がないため、シンガポール裁判所が保全処分を命じることができるとした。その上で、入渠の実施について客観的な合意を示す証拠があり、船主に契約を根本的に違反する行為があったとも認められないことから、船主には十分に争い得る本案上の請求があると判断した。

また、凍結命令の発令前後に、用船者の資産が継続的かつ説明なく減少していたことから、将来の仲裁判断の執行を妨げる目的で資産が散逸される現実的危険があると認定した。申立てまで約10か月を要した点についても、用船者の防御資金を奪うための圧迫的手段ではなく、資産散逸を防止する正当な目的によるものとして、濫用には当たらない。

さらに、無通知申立てにおける重要事項の不開示も認められず、仮に不備があったとしても命令を取り消すほど重大ではない。その一方で、通常業務の例外を利用した資金流出を防ぐため、一定額以上の引出しには船主の同意を要し、支払先及び裏付資料を開示するよう命令が変更された。用船者による取消申立ては棄却され、船主の変更・開示申立てが認められた。