Mare Nova Incorporated v Zhangjiagang Jiushun Ship Engineering Co Ltd [2025] EWHC 223 (Comm)

中国の造船所で修繕を受けた船舶Mare Novaについて、出渠後まもなく中間軸受の損傷が判明したことから、修繕業者の契約責任と仲裁判断の適否が争われた事案である。仲裁人は、造船所が修繕品質、軸芯調整及び機器再組立てに関する契約条項に違反したと認定した一方、船主が海上試運転を求めず、修繕完了を承認したことから、造船所の責任はその時点で消滅し、6か月保証条項に基づく一部損害のみを認めた。

船主は、責任消滅の根拠とされたClause 6.3について仲裁中に議論する機会を与えられなかったとして、1996年仲裁法68条に基づき重大な手続的不備を主張した。裁判所は、この論点が仲裁手続中には一度も提示されず、仲裁判断で初めて採用されたため、船主が反論の機会を失い、結果に影響し得る重大な不公正が生じたと判断した。そのため、仲裁判断は仲裁人に差し戻された。

他方、同法69条に基づく法律問題の上訴は、当該論点が仲裁で提起されていなかったため認められなかった。ただし裁判所は契約解釈について、明確な文言がない限り、当事者が通常認められる契約違反に基づく権利・救済を放棄したとは解されないと指摘した。Clause 2.1は修繕業者の義務を定め、船主代表者の承認は追加的保護を与えるにすぎず、潜在的欠陥に対する責任を免除するものではない。またClause 6.3は、造船所が船舶を保管する期間を定めた条項であり、既に発生した契約違反や過失責任を消滅させる趣旨ではないとされた。