曳航中に転覆したTeras Lyzaについて、抵当権者OCBCが船体保険に基づき全損保険金を請求できるかが争われた。
裁判所は、船体の回収・保全費用と修理費用が保険価額を超えることから、constructive total lossが成立すると判断した。また、転覆は予期しない海水流入によるもので、通常の老朽化や船体の固有の欠陥ではなく、perils of the seasによる損害とされた。保険者は、曳航方法、Marine Warranty Surveyorの選定、船体構造等について重要事項の不開示や不実表示があったと主張したが、いずれも客観的に重要な事項ではないか、事実上立証されていないとして退けられた。さらに、法令遵守、標準運航手順および曳航サーベイヤーの勧告遵守に関する各保証についても違反はなく、本船が堪航性を欠いたまま出航したとの抗弁も認められなかった。その結果、船体・機関を対象とするSection AについてはOCBCの請求が認められた。他方、増加価額等を対象とするSection Bは「policy proof of interest」とされ、Marine Insurance Act 1906第4条上の賭博保険として無効であったため、同部分の請求は棄却された。