Valency International Pte Ltd v JSW International Tradecorp Pte Ltd and Others [2026] SGCA 1

船荷証券を担保として銀行に差し入れた金融業者が、貨物の無断引渡しについてconversionを理由に売主や船社を訴えることができるかが争われた。 Valencyは、船荷証券をHSBCに質入れした後、Trust Receiptに基づいて原本の返還を受けていた。しかし控訴院は、この返還は貨物の受取りや売却を行わせるための限定的なものであり、銀行の担保権は消滅していなかったと判断した。そのため、質権が存   続きを読む…

Moeve Trading SAU v Mael Trading FZ LLC [2026] EWHC 17 (Comm)

買主が信用状を開設したことで売買代金の支払義務を果たしたことになるか、また、船荷証券が買主に引き渡されていないことを理由に代金支払を拒めるかが争われた。 裁判所は、信用状による支払は、契約に明確な反対の定めがない限り、通常は「条件付支払」にすぎず、信用状の開設だけで買主の代金債務が消滅するものではないと判断した。本件では、貨物はFOB条件により船積時に買主へ引き渡され、所有権も買主に移転していた。   続きを読む…

LMLN London Arbitration 3/26

性能不足クレームについて、①気象データの優先関係、②適用される良好気象条件、③性能保証が契約期間中継続するか、④追い潮の影響を控除するかが予備的争点となった。 仲裁廷は、まず、船舶ログと傭船者側の気象会社データに継続的な食い違いがあることを傭船者が立証した場合、船主が独自の気象会社を選任でき、選任しなければ傭船者側の報告が優先すると判断した。良好気象条件については、旧傭船契約中に二つの定義が併存し   続きを読む…

Posh Projects Pte Ltd v Owners/Demise Charterers of the Yangtze Harmony [2026] SGHC 3

ロンドン仲裁の結果を担保するためシンガポールで差し押さえられ、売却代金が裁判所に保管されていた本船について、仲裁判断取得後にin rem手続の停止を解除し、その売却代金から回収できるかが争われた。 裁判所は、仲裁合意を理由にin rem手続が停止されても、その停止は手続を一時的に止めるにすぎず、差押えによる担保機能まで失わせるものではないと判断した。仲裁判断が履行されない場合、裁判所には停止を解除   続きを読む…

LMLN London Arbitration 2/26

本船が4基のクレーンを備え、同時連続使用が可能であると保証されていたにもかかわらず、発電機の過熱・過負荷防止を理由に同時使用が3基に制限された場合、laytimeを4基基準と3基基準のどちらで計算すべきかが争われた。傭船契約は、荷役率を1フック当たり1日500トンと定めていた。船主は、4基とも使用可能であり、3基を常時使用し、残る1基を交替用とする「3+1」の運用であったと主張した。仲裁廷は、「h   続きを読む…

Unity Ship Group SA v Euroins Insurance JSC(The Happy Aras)[2026] EWHC 7 (Admlty)

座礁事故後に船主が求めた共同海損分担金について、本船の不堪航性を理由に貨物保険者が支払いを拒否できるかが争われた。 保険者は、本船には適切な航海計画がなく、船長も能力を欠いていたため、船主がHague Rules上の堪航性確保義務を尽くしていないと主張した。裁判所は、航海計画には複数の不備があったものの、その計画どおり航行していれば座礁は生じなかったため、航海計画の欠陥自体は事故原因となる不堪航性   続きを読む…

LMLN London Arbitration 1/26

本船が引渡時から著しい船体汚損を有していたものの、契約上必要とされた20%以上の良好気象期間が存在しない場合でも、傭船者が性能低下による損害を請求できるかが争われた。 仲裁廷は、引渡前の長期停泊状況、過去の水中検査および中国での入渠時の調査結果から、本船は引渡時に船体の約90%が汚損しており、NYPE第15条の「船体の欠陥」に該当すると判断した。船主は、The Divinegate判決を援用し、性   続きを読む…