船主が戦争保険のTrading Warrantyに違反してウクライナ領海へ航行した結果、機雷により全損となった場合、抵当権者保険(Mortgagee’s Interest Insurance:MII)の保険金が支払われるかが争われた。
船主は追加戦争危険保険を手配したと抵当権者に説明したが、そのカバーノートは偽造であり、船主保険はTrading Warranty違反を理由に保険金支払を拒絶した。これを受け、抵当権者はMII保険に基づき保険金を請求した。保険者は、損失の原因は偽造書類であってTrading Warranty違反ではないこと、抵当権者はTrading Warranty違反を認識していたため「privity」があること、さらに抵当権者が自ら航海を容認した以上、損失は偶発的ではないことを主張した。裁判所は、MIIは抵当権者自身の担保権益を保険の目的とするものであり、損失の近因はTrading Warranty違反による船主保険の不払であると判断した。また、抵当権者は追加保険が有効に付保されたとの説明を信頼して同意したのであって、Warranty違反を認識・容認したとはいえず、「privity」は認められないとした。さらに、機雷による損傷は抵当権者にとって明らかに偶発的事故であり、MIIの補償対象となると判断された。