船舶売買後に、引渡し前の貨物事故に関する請求により本船が差し押さえられた場合、売主がSaleform 2012第9条の補償義務に基づき、差押解除のための担保を直ちに提供する義務を負うかが争われた。
裁判所は、第9条の補償は、引渡し前に発生した事情に基づく請求が引渡し後に本船へ向けられた場合にも適用され得るとした。したがって、第三者請求の当否が未確定であることだけでは、売主は補償責任を免れない。もっとも、第9条の補償は、買主が第三者に支払った金額を後から填補する「補償的」な義務であり、売主が自ら担保を差し入れて差押えを解除する「予防的」な義務までは含まないとし、また、買主は本船差押後も仲裁を開始しておらず、裁判所による緊急の暫定措置が必要であることも立証できなかったとして、結論的に、売主に担保提供および差押解除を命じる暫定的差止命令の申立ては棄却された。