Unity Ship Group SA v Euroins Insurance JSC(The Happy Aras)[2026] EWHC 7 (Admlty)

座礁事故後に船主が求めた共同海損分担金について、本船の不堪航性を理由に貨物保険者が支払いを拒否できるかが争われた。

保険者は、本船には適切な航海計画がなく、船長も能力を欠いていたため、船主がHague Rules上の堪航性確保義務を尽くしていないと主張した。裁判所は、航海計画には複数の不備があったものの、その計画どおり航行していれば座礁は生じなかったため、航海計画の欠陥自体は事故原因となる不堪航性ではないと判断した。一方、船長は航海計画から逸脱し、見張りを不在にし、重要な変針点を見落とし、警報装置も無視した上、事故後には虚偽の航海日誌を作成した。これらは単発の航海過失ではなく、船長としての重大な能力不足を示すものとされた。船主は、資格証明書に依拠するだけで、船長の勤務評価や採用・監督状況に関する十分な証拠を提出せず、船長選任について相当な注意を尽くしたことを立証できなかった。その結果、本船は船長の不適格により不堪航であり、その不堪航性が座礁の実質的原因であったため、貨物保険者は共同海損分担金の支払いを拒むことができるとされた。