裸用船中の船舶Victor 1が乗組員の申立てにより差押えられ、司法売却された後、燃料供給者Meckが未払燃料代について売却代金に対する対物訴訟を提起した事案である。問題は、訴訟提起時にCetoがなお裸用船者又は実質的船主であり、人的責任を負う被告として、手続に参加できるかであった。
裁判所は、司法売却の完了により裸用船契約は終了したと判断した。司法売却は、買主に先取特権、担保その他の負担のない完全な権原を取得させるものであり、従前の船主又は裸用船者に対する対物請求権も船舶から切り離される。売却代金を船舶の代替物とみなす法的擬制は、既存の対物請求を維持するためのものにすぎず、裸用船契約その他の契約関係を存続させるものではない。したがって、Meckが訴訟を提起した2023年4月12日時点で、Cetoは裸用船者ではなかった。
また、裸用船契約は、本来の満了日である2022年4月1日にも終了していたと解される。契約上、傭船料及び管理契約上の全債務を支払えば船舶所有権がCetoへ自動移転する旨が定められていたが、管理料等の未払金が残っていたため、その条件は満たされていなかった。船舶登録証上の船主はSavoryであり、Cetoはこれを覆す所有権移転を立証できなかった。
以上から、Cetoは裸用船者でも実質的船主でもなく、Meckの請求における人的責任の被告として参加する資格を有しない。Cetoの出廷届及び同社との間で成立した同意判決は取り消され、手続に参加できるのは登録船主Savoryのみと判断された。