Southeaster Maritime Ltd v Trafigura Maritime Logistics Pte Ltd (The MV Aquafreedom) [2024] EWHC 255 (Comm)

タンカーAquafreedomの定期用船交渉において、リキャップ送付後に「Charterers’ management approval」及び「terms subject review both sides」とのsubjectが残されていたにもかかわらず、Trafiguraが拘束力ある用船契約が成立したと主張した事案である。

裁判所は、海運実務における「subject」は、契約成立前の条件を示すものであり、特に「用船者の経営陣承認」は、それが解除されるまで契約を成立させない条件であるとした。したがって、1月30日のリキャップ時点では、なお全条件の合意と経営陣承認が必要であり、拘束力ある契約は成立していなかった。

また、Trafiguraが2月1日及び2日に提示したCII条項の修正案は、単なる質問ではなく反対申込みであり、船主の従前の申込みを拒絶する効果を有したとされた。その後、船主は2月6日午前10時41分に「条件に合意しておらず、取引を行う意思もない」と明確に通知しており、これにより仮に従前の申込みが残っていたとしても撤回された。

Trafiguraは同日午前10時49分に経営陣承認のsubjectを解除したが、その時点では受諾可能な申込みは存在せず、全条件にも合意していなかったため、契約は成立しなかった。さらに、船主が自社取締役会承認のsubjectを削除したことから撤回しないとの禁反言が生じるとの主張も、何らの表明や依拠がなく、認められなかった。以上から、拘束力ある定期用船契約は成立していないとして、船主に略式判決が認められた。