Da Hui Shipping (Pte) Ltd v An Rong Shipping Pte Ltd [2024] SGHC 166

Da Hui Shipping(DH)とAn Rong Shipping(AR)が共同借入人として銀行から借り入れ、各社所有船3隻に抵当権を設定した後、債務不履行により全船が売却され、DHが自己の負担割合を超えて返済したとして、清算中のARに対する分担請求及び銀行の抵当権への代位を求めた事案である。

裁判所は、共同債務者の一方が自己の公平な負担割合を超えて債務を弁済した場合、他の共同債務者に超過分の分担を請求できるとの原則を確認した。本件では、DHとARの負担割合は均等ではなく、合意された比率に従うべきであり、DHには分担請求を追行する相応の根拠があるとして、清算中のARに対する訴訟継続を許可した。

他方、銀行が有していたAR所有船2隻の抵当権への代位は認められなかった。一般に、担保付債務を弁済した者は、債務消滅により形式上消滅した担保にも衡平法上代位し得る。しかし本件では、DHの支払前に対象船が既に対物訴訟で差し押さえられ、司法売却され、その売却代金も銀行への返済に充当されていた。抵当権は単に消滅したのではなく、既に完全に実行され尽くしており、買主には負担のない権原が移転していたため、DHが承継できる財産的権利は残っていなかった。さらに、代位を認めれば、DHはARの一般債権者に優先する地位を取得することになる。倒産手続における債権者間の公平な財産分配は重要な公序であり、既に実行済みの担保を復活させてDHに優先権を与えることは不公平であるとして、代位に関する宣言請求は棄却された。

(控訴審あり)