Tasmanian Ports Corporation Pty Ltd v CSL Australia Pty Ltd(The Goliath)[2025] FCAFC 53

Goliathが港内でタグ2隻および岸壁に衝突し、沈没したタグの撤去費用等について、船主が1976年責任制限条約に基づき責任を制限できるかが争われた。

オーストラリアは、同条約2条1項(d)の沈没船の引揚げ・撤去・無害化に関する請求を国内法化していなかった。船主は、撤去費用は同時に同項(a)の財物損害に伴う結果損害にも当たるため、なお責任制限の対象になると主張した。第一審はこの主張を認めたが、連邦裁判所大法廷はこれを覆した。撤去費用が他の項目にも該当し得るとしても、沈没船撤去に関する請求は特に同項(d)で規律されるため、同項を留保した国では責任制限の対象外になるとされた。また、同項(d)の「a ship」は責任制限を主張する船舶自身に限られず、その船舶の衝突によって沈没した他船の撤去にも適用されると判断された。その結果、沈没したタグ2隻の撤去・処分およびこれに関連する費用について、Goliathの船主は責任制限を援用できないとされた。