MS Amlin Marine NV v King Trader Ltd [2025] EWCA Civ 1387

被保険者である傭船者が倒産した場合でも、第三者請求者が保険者に直接請求するためには、まず被保険者自身が損害賠償額を支払っていることを求める「pay to be paid」条項に従う必要があるかが争われた。

第三者請求者は、保険契約の基本的な補償条項とpay to be paid条項は矛盾しており、補償条項を優先すべきであると主張した。しかし控訴院は、保険金請求権自体は責任確定時に発生するものの、その権利を実際に行使するための条件として先行支払を要求することは、補償条項を否定するものではなく、これを補充・制限するものにすぎないと判断した。

また、Third Parties (Rights Against Insurers) Act 2010は、死亡・人身傷害請求を除き、海上保険におけるpay to be paid条項を無効としていないため、第三者は被保険者より有利な権利を取得するものではないとされた。さらに、同条項が過度に不利益で異例な条項であるとの主張も退けられた。pay to be paid条項は海上責任保険で広く用いられており、専門ブローカーを介した商業契約において予想外の条項ではないとされた。その結果、倒産した傭船者が約4,700万米ドルの仲裁判断額を支払っていない以上、第三者請求者は保険者に直接請求することができず、控訴は棄却された。