Pleon Ltd v Leonis Yachting Ltd(The Maltese Falcon)[2025] EWHC 3144 (Comm)

ヨット売却後も売主が一定期間無償で使用できる契約の下、その使用期間中に機関故障が生じた場合、その不堪航性のリスクを売主と買主のどちらが負担するかが争われた。

売買契約上、ヨットは「現状有姿」で売却され、売主は品質や目的適合性について責任を負わない一方、使用・アクセス契約では、買主がヨットを稼働可能かつ堪航性のある状態に保つ義務を負っていた。仲裁廷多数意見は、引渡しから売主の使用開始までの期間が短く、買主が十分な整備を行う時間もなかったとして、売主による引渡前の整備不良に起因する故障については買主は責任を負わないとの黙示条項を認めた。しかし裁判所は、買主は現状有姿でヨットを取得しており、引渡時に存在した不具合のリスクも買主が負担すると判断した。その上で、使用期間中の堪航性を保証する条項は明確であり、売主の引渡前の整備不良が原因であっても、買主の義務を制限する黙示条項を認める余地はないとした。その結果、使用期間中の機関故障による不堪航性のリスクは買主にあり、仲裁判断は法律上の誤りとして取り消された。