揚地で本船が到着船となる前にNORを提出したためNORが無効であった場合、荷役開始時から当然にlaytimeが進行するかが争われた。
仲裁廷は、荷役開始によりlaytimeが開始すると判断し、揚地で約84万米ドルの滞船料を認めたが、商事裁判所は、有効なNORが提出されていない限り、laytimeは原則として開始しないと判断した。荷役開始だけでNORの無効が当然に治癒される、いわゆる「deemed waiver」の原則は存在しないとされた。NORの無効を主張しないとのwaiverが成立するには、傭船者がNORの無効を認識した上で、その権利を放棄したことを示す知識と同意が必要である。本件では、そのような実際のwaiverは認定されていなかった。その結果、揚地ではlaytimeは一度も開始せず、傭船者に滞船料支払義務はないとして、仲裁判断から揚地滞船料部分が削除された。