SCMA Preliminary Final Award(Supplytime 2017)

本船の技術的不具合による中断を含む用船関係終了後、当事者間で合意された未払残額について、傭船者が高額な反対請求を主張して支払いを拒めるかが争われた。

船主は、当事者間で未払用船料等を減額した上で、一定額を分割払いする和解合意が成立したと主張した。傭船者も和解合意の存在自体は争わなかったが、その範囲は不明確であり、代替船費用やプロジェクト遅延損害を反対請求できると主張した。仲裁廷は、請求書、クレジットノートおよびその後のメールから、当事者が元の未払額、減額後の金額および分割払日程について具体的に合意していたと判断した。支払延期の理由も一貫して資金繰り上の問題とされ、反対請求による相殺の留保は示されていなかった。また、傭船契約には明示的な相殺禁止条項があり、未確定の反対請求を理由に合意済み債務の支払いを遅らせることはできないとされた。もっとも、傭船者は今後、反対請求自体を別途追行することはできる。その結果、2名の仲裁人で構成された仲裁廷にもSCMA Rules上、部分最終判断を出す権限があるとされ、傭船者に対し、合意済み金額全額と月1%の複利による利息の即時支払いが命じられた。