Valency International Pte Ltd v JSW International Tradecorp Pte Ltd and Others [2026] SGCA 1

船荷証券を担保として銀行に差し入れた金融業者が、貨物の無断引渡しについてconversionを理由に売主や船社を訴えることができるかが争われた。

Valencyは、船荷証券をHSBCに質入れした後、Trust Receiptに基づいて原本の返還を受けていた。しかし控訴院は、この返還は貨物の受取りや売却を行わせるための限定的なものであり、銀行の担保権は消滅していなかったと判断した。そのため、質権が存続していた期間中は、貨物を直ちに占有する権利はHSBCにあり、Valencyにはconversionを訴える資格がなかった。船荷証券を物理的に所持していたことだけでは足りないとされた。また、JSWおよびOldendorffが貨物の引渡指図を出しただけでは、直ちに貨物への現実の干渉とはならず、conversionは成立しないと判断された。実際の誤渡しを行ったのは港湾代理店であり、両社の指図と誤渡しとの因果関係も立証されていなかった。その結果、ValencyはJSWおよびOldendorffに対してconversionに基づく請求を行うことができず、その請求は棄却された。