Cometsambre SA v Lloyd’s Insurance Company SA [2026] EWHC 1837 (Comm)

スクラップ貨物の火災について傭船者責任保険の補償を求めたCometsambreに対し、保険者が過去の複数の火災の不告知を理由として2022年保険契約を取り消せるかが争われた。

裁判所は、2020年から2021年にかけて、船上火災3件と岸壁上の火災2件が短期間に発生していたことは、慎重な保険者が引受判断に際して考慮する重要な事情であったと判断した。実際に保険請求へ発展していない火災や、船積前の岸壁火災であっても、同様の火災が船上で発生する危険を示すため、告知対象になるとされた。Cometsambreは、スクラップには一般的に火災リスクがあり、保険者もこれを認識していたと主張した。しかし、当初の保険申告では、貨物は清浄で非危険なGroup Cのスクラップとして説明されており、保険者が想定していたのは低い火災リスクであった。長年火災がなかった後に5件が集中したことは、リスク状況の重大な変化を示すものである。また、保険者が毎年詳細な質問をしなかったことや、主にクレーム履歴を確認していたことは、火災情報の告知を免除したことにはならない。公正なリスク提示を行う第一次的責任は被保険者側にある。さらに、過去の火災が適切に開示されていれば、実際の引受担当者は2022年契約を条件変更や保険料増額ではなく、いかなる条件でも更新しなかったとの証言を認めた。その結果、Cometsambreは、Insurance Act 2015上の公正なリスク提示義務に違反し、その違反が契約締結を誘引したとして、保険者による契約取消しは有効とされ、保険金および防御費用の請求は棄却された。