Southeaster Maritime Ltd v Trafigura Maritime Logistics Pte Ltd (The MV Aquafreedom) [2024] EWHC 255 (Comm)

タンカーAquafreedomの定期用船交渉において、リキャップ送付後に「Charterers’ management approval」及び「terms subject review both sides」とのsubjectが残されていたにもかかわらず、Trafiguraが拘束力ある用船契約が成立したと主張した事案である。 裁判所は、海運実務における「subject」は、契約成立前の   続きを読む…

KfW IPEX-Bank GmbH v Owner of the Vessel “World Dream” [2024] SGHC 56

大型クルーズ船World Dreamの司法売却後、船内のスロットマシンやカジノテーブル等のゲーム設備が船舶抵当権の対象に含まれるかが争われた事案である。船主側は、別船の抵当契約では「gaming equipment」が明記されていたのに対し、本船の抵当契約には明記されていないため、ゲーム設備は一般債権者に帰属すると主張した。 裁判所は、まず、船主側が対象となるゲーム設備を十分具体的に特定していない   続きを読む…

Denver Maritime Ltd v Belpareil AS (The Kiran Australia and The Belpareil) [2024] EWHC 362 (Admlty)

バングラデシュ・チッタゴン沖の錨地で、錨泊中のばら積船Belpareilが走錨し、同じく錨泊中のKiran Australiaと衝突した事故について、両船の過失割合が争われた事案である。Belpareilは機関不調のためKiran Australiaへ接近し、一度は離れたものの、再び機関が停止して衝突した。 裁判所は、Belpareilが危険な状況を作り出した主たる責任を負うと判断した。船舶が走錨   続きを読む…

Owner and/or Demise Charterer of the Vessel “A Symphony” v Owner and/or Demise Charterer of the Vessel “Sea Justice” [2024] SGHC 37

中国・青島沖でA SymphonyとSea Justiceが衝突し、船体・貨物損害及び油濁事故が発生したことから、A Symphony側がシンガポールでSea Justiceを差し押さえた一方、双方が中国でも責任制限基金を設立し、衝突責任を争っていた事案である。Sea Justice側は、シンガポール訴訟の停止、差押命令の取消し及び担保返還を求めた。 裁判所は、事故地が中国領海であり、中国法が適用   続きを読む…

Eurobank SA v Momentum Maritime SA and Others [2024] EWHC 210 (Comm)

船舶3隻を担保として約1,200万米ドルを融資した銀行Eurobankが、借入人らの返済不履行後、残債の支払を求めた事案である。担保船のうち2隻はジブチで多数の債権者により差し押さえられ、その後、港湾当局による私的売却を経て解撤された。借入人らは、銀行が担保船の処分に関与し、適正な市場価格を得る義務に違反したと主張した。 裁判所は、銀行が行ったのは、既に多数の差押えを受けていた本船を追加的に差し押   続きを読む…

Carmichael Rail Network Pty Ltd v BBC Chartering Carriers GmbH & Co KG (The BBC Nile) [2024] HCA 4

南オーストラリア州からクイーンズランド州へ海上輸送された鋼製レールが航海中に損傷したことについて、船荷証券中の英国法準拠・ロンドンLMAA仲裁条項が、オーストラリアの国内州間運送に適用される強行的な海上物品運送法制に反して無効となるかが争われた事案である。 船荷証券には英国法準拠及びロンドン仲裁条項が置かれていたが、本件運送にはCarriage of Goods by Sea Act 1991に基   続きを読む…