Carmichael Rail Network Pty Ltd v BBC Chartering Carriers GmbH & Co KG (The BBC Nile) [2024] HCA 4

南オーストラリア州からクイーンズランド州へ海上輸送された鋼製レールが航海中に損傷したことについて、船荷証券中の英国法準拠・ロンドンLMAA仲裁条項が、オーストラリアの国内州間運送に適用される強行的な海上物品運送法制に反して無効となるかが争われた事案である。

船荷証券には英国法準拠及びロンドン仲裁条項が置かれていたが、本件運送にはCarriage of Goods by Sea Act 1991に基づくオーストラリア改正ヘーグ・ルールが適用された。荷主Carmichael Railは、ロンドン仲裁では運送人の責任がオーストラリア法より軽減されるおそれがあるとして、仲裁差止めを求めた。

最高裁は、改正ヘーグ・ルール3条8項により仲裁条項を無効とするには、仲裁人が同ルールを適用せず、運送人の責任を免除又は軽減することを蓋然性の均衡により立証する必要があるとした。単に異なる解釈が採られる可能性や、ロンドン仲裁が高額・不便であることだけでは足りない。

本件では、BBCは仲裁においてオーストラリア改正ヘーグ・ルールの適用を争わないと確約し、連邦裁判所もその適用を宣言していた。仲裁人がこれに反して判断するとの懸念は推測にすぎず、英国仲裁法上も仲裁廷は当事者が選択した法を適用しなければならない。したがって仲裁条項は有効であり、裁判所には仲裁付託を拒む裁量はないとして、差止命令の解除と訴訟停止が維持された。