MV Kiatingの貨物揚荷が積付不良等により長期化したことから、シアネス港が通常の荷役費用に加え、追加係岸料(period toll)を請求できるかが争われた事案である。本船は、本来約3日半で揚荷を終える予定であったが、航海中の荒天による木材の荷崩れや、吊索の不備により作業が遅延した。港は、標準的な期間を超えて本船が岸壁を使用したとして、10日分の追加料金を請求した。
裁判所は、港湾条件5.4の「本船が荷積み又は揚荷に必要な期間を超えて岸壁に留まる場合」との文言は、荷役終了後も離岸せず岸壁を占有する場合を意味し、荷役そのものが遅延している場合には適用されないと判断した。「remain」という表現は、単なる作業遅延よりも、必要がなくなった後の滞在を示すものであり、港側の解釈では、本来必要であった荷役時間を専門家証拠によって算定する複雑な紛争を生じさせる。また、見積書には、港の支配外の遅延について追加料金が発生し得る旨の記載があったが、港に無制限の料金設定権を与えるものではなく、契約条件上も、実際に生じた追加費用を回収できるにとどまる。当事者間のやり取りから別途の追加料金合意が成立したとも認められない。さらに、契約が追加係岸料の発生条件を明確に定めている以上、契約外の合理的報酬請求によって適用範囲を拡張することもできない。したがって、港によるperiod tollの請求は全面的に棄却された。