Reseau de Transport d’Électricité v Costain Ltd [2025] EWHC 73 (Admlty)

英仏間の海底高圧電力ケーブルが、艀Stema Barge IIと貨物船Saga Skyの衝突後に両船の錨によって損傷した事故について、Stema UKが1976年海事債権責任制限条約1条4項に基づく責任制限を改めて主張できるかが争われた事案である。

従前の責任制限訴訟では、第一審がStema UKを同条1条2項の「operator」と認定したが、控訴院はこれを覆し、同社は同条に基づき責任を制限できないとの無条件の命令を出していた。同条1条4項の主張は控訴審で準備されたものの、最終的に撤回されていた。

裁判所は、控訴院の命令はStema UKが条約1条に依拠できないことを確定的に宣言したものであり、既判力によって再度争うことはできないと判断した。責任制限の主張は単なる手続的抗弁ではなく、責任額を制限する実体的請求であるため、請求原因に関する禁反言も成立する。

さらに、過去の手続で提起することが可能であり、かつ提起すべきであった論点を後訴で主張することを禁じるHenderson v Henderson原則も適用された。同条1条4項の判断に必要な事実や証人は、従前の1条2項の審理と大きく重なっており、当時主張することに実質的な障害はなかった。これを後から許せば、判決の終局性を害し、当事者及び裁判所の資源を浪費し、責任制限基金に対する他の債権者の権利にも影響する。したがって、Stema UKの責任制限の抗弁は排斥された。